徳井に会えば、あたしは変わるかもしれないと思った。 郁を殺したとのだと言うその男の顔を、あたしは見てみたかった。 偽りばかりのメディアからではなく、あたしのこの目で、見てみたかった。 郁の中にあたしが居るように、あたしの中には、郁がいるのだから。 その男に会えば、郁のことが分かるのかもしれないと思った。 なんで郁なんだ。 なんで、郁だった。