「徳井が、お姉さんの件に関しても、自供を始めました。
あなたのお姉さんを狙ったわけではなく、他の被害者と同様、たまたま歩いていたお姉さんを見て連れ去ったのだと、そう言っています」


そう告げられたのは、あの日と同じ警察署の一室だった。

唯あの日と違ったのは、あたしの胸にくすぶるように燃え出した憎悪があるということだけだ。



「……徳井に、会うことは出来ないんですか」

「すみません。あなたの気持ちは分かるのですが、今はできません。
それに止めた方が、あなたのためだ」