佐之助は、親も身寄りもなく幼い頃から宏彦の屋敷につかえていた。

宏彦と歳が近い事もあり、身の回りの世話をしていた。もちろん、織姫への文の伝達も…そこで、汐羅に出会ったのだ。

直接、織姫に会うという事はなかった。だが、ある日の届けに行く道中で足に怪我をし文を無事に届け戻ろうとした時だった。

何処からやってきたのか、綺麗な着物を着た同い年くらいの少女が立っていて、近付いてきた。



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