「野々山幸恵・・・ちゃん?!だよね。
うち、佐藤空。
よろしくね。」
いきなり話しかけられてびっくりした自分。
「うん・・・。
幸恵です。
空ちゃん。よろしくね。」

明るく話しかけてくれている空ちゃん。
でも・・・。
髪の毛がなくてバンダナをしている。
それでずっと考え込んでいた私に、

「うちは慢性白血病なんだぁ。
正直髪の毛とかないのには怖かったけど
でも、今を楽しめればいいの。
だから・・・。
よろしくね。
あと空ちゃんって言うのはやめて空って呼んでほしいな。」

慢性白血病。
聞いたことはある。

でもそのこが・・。
なるなんて考えれなかった。
「そうなんだ・・・。
うちは幸恵でいいよぉ。
でも、空、明るいよね。
うち・・・。」
ここまで言ってためらった自分。

必死に生きようとしている人に、私が死にたくて
ここに運ばれてきたって言っていいのかな?!

どう反応するのかな?!
泣いちゃうかな?!
それとも怒っちゃうのかな?

絶対失望するよね。

だから・・・。
でも・・・。
言いづらい。
でもなんか空には全部言える気がしたんだよね。