「いや、そんなに飲みませ…」 僕がどうのこうの言うより早く、グラスにはワインが並々と注がれていた。 「乾杯。」 おじいさんは自分のワイングラスを右手に持ち、向かいの僕に向けていた。 「…乾杯。」 カン ガラスの軽くぶつかり合う音が響いた。 僕とおじいさんは同じタイミングでワインを口にした。