「シンヤが本物の戦士になったら、どれほどの力を発揮するかしら」

 純粋に興味もある。

 同時に脅威でもある。

「あの娘も、今度会う時は強くなっているかもしれない」

 シオンは、ここに戻って来る少し前に会った少女のことを考えてみる。

 確か、名前は望月晶といったか。

 誰かと戦ったのか、ひどく傷ついていた。

 命にかかわるほどではなかったが、傷は深いものだった。

 それでも、晶は誰かを追って行こうとしているようだった。

 そんな満身創痍の晶から、ただならぬ闘志をシオンは感じた。

「強さを渇望する意志が力を導く?」

 津也もそうだった。

 カードに体を乗っとられたアルベルトに重傷を負わされた時、津也は自分のカードを媒体にして驚異的な強さを見せつけた。

 次に会う時は、どれほど強くなっているだろうか。

 晶にも、津也と同じ変化が起きるだろうか。

 シオンにとって、この戦いはただの潰し合いではなくなっていた。