「私の願いが、何者かに利用されている?」

 シオンは、果たせぬ願いが叶うかもしれないと思った時のことを思い出した。

 挫折した過去をやり直せるかもしれない、そう思ったのに。

 嘘だったというのか。

「嘘だったとしたら、私が倒してきた戦士達の願いを、誰かが嘲笑っている」

 悲哀よりも、怒りが強くなる。

 どこの誰に、人の願いを踏みにじる権利があるというのだ。

「ましてや命を弄ぶなどと、許しがたい!」