空の神衣

「不細工でも、着飾れば見映えがよくなるってことよ」

「ひっどおい」

 闇珠はふくれっ面になる。

「可愛く撮れてるじゃない。店長、看板これでいきましょうよ」

「でしょでしょ。もう、これで決まりね」

 二人は盛り上がるが、闇珠は恥ずかしそうにしている。

「あ…でも看板ってことは、この写真飾るんだよねえ…」

「いいじゃないか。よく撮れてるよ」

 額を持ち上げて津也は言う。

「親子連れには、受けるんじゃないかな」

「…ほんとに?」

 顔をのぞきこむ闇珠の頭を撫で、津也は答えてやる。

「ほんとだよ」

「あはっ」

 赤くなりながら、闇珠は嬉しそうに笑った。

「じゃあ約束通り、ドレスはプレゼントよ」

「え?いいの?」

 闇珠は店長の言葉に驚くが、津也は涼しい顔をしている。

「店長、端からそのつもりだったでしょう」

 多様な衣類を扱ってはいるが、アンティーク調ドレスは場違いだ。

「もともと、闇珠ちゃんにあげようと思ってとっといたのよ」