空の神衣

　蒼馬が行方不明になっていることは津也も李苑から聞いて知っていた。

「しかし、聖をあんなズタボロにしたってのか、あの蒼馬が」

　津也は、病院で見た聖の無惨な姿を思い出す。

　津也が見舞いに行った時は意識こそあったが、満身創痍で起きることすらできないでいた。

「考えてみたら、事故にしては不自然だったな」

「何とかかばったんだけど、それでも聖はほぼ直撃だったから…」

　李苑はその時を思い出したか、苦悶の表情を浮かべる。

　ふと、津也はあることが気になった。

「まてよ、『聖は』ってことは、ほかに誰かいたのか」

「うん…あっちゃんが」

「晶が？そういやしばらく見ないと思った…ってまて、まさか蒼馬を？」

「追って行った…」

　特に親しいわけではないが今にして思えば、最後に会った時の晶は様子がおかしかった。