「体洗ってるうちに、湯もたまるだろ」

「あ、待って」

 闇珠は津也を呼び止めた。

「一緒に入ろ。背中流してあげる」

 津也は振り向くと、闇珠をまじまじと見た。

「…あのなあ…」

 頭を掻きながら言う。

「なに?」

「羞恥心って、知ってるか?」

「気にしない、気にしない。私珠だもん」

 闇珠はさらりと返す。

「珠にも心はある、とか言わなかったか」