「サバイバーのツールはカード、オーブ、リングがあるの。特に力の差があるわけじゃないんだけど」

 言うと、少女は長い黒髪をくくったリボンに付いている珠を指す。

「人の姿は仮で、こっちが本体。カードと同じやり方で契約できるわ」

「名前を、つければいいのか」

「そういうこと。カードと同じ名前でもいいんだけど、できたら変えてほしいな」

 津也は少し考えた。もとより同じ名前をつけるつもりなどないが、別の名前といってもすぐには思いつかない。

 ふと、リボンの珠が目に入った。

「じゃあ、黒い珠つけてるから闇珠だ」

「アンジュ、ねえ。また安直な…」

 名付けられた少女は、少し不満げな顔で津也の手をとる。

「珠に触れて、欲しい力をイメージして」