王は思った。

 自分は老いてなどいない。

 心は若いままだ。

 ただ器である体が、古くなっただけだ。

 ならば。

 新しい器に乗り換えればいい。

 ふさわしい器の者は、喜んで己が身を差し出すだろう。

 自分は支配者なのだから。

 全ては、王である自分のためにあるのだ。