空の神衣

 ぼやきながら、津也は推測で答える。

「二体とも、意思や人格は感じられなかった。蒼馬達を意図して狙ったわけじゃないってことだ」

 会話を交わしながら隙を窺う二人。

 李苑は完全に蚊帳の外だ。

 割り込もうとしてみたが、とても入っていけなかった。

 仕方なく二人の会話を聞いていると、津也が驚くべき事を語り始めた。

「間引き、だろうな。サバイバーの中には積極的に戦わない者もいる。無軌道に破壊を撒き散らす者もいる」

「やはり、そう思うか」

 アリアスも頷く。

「はぐれ者を排除して、戦いを加速しようって腹だろう。結果として、戦いから逃げられなくなった者もいる」

 李苑は愕然とする。

 蒼馬の決意さえ、利用されているというのか。

 そしてふと、あることに気付いた。

 二人は‘主催者’の思惑を、先の戦闘の時点で把握していたようだ。

 ということは、蒼馬が追い込まれるのを承知の上で静観していたことになる。