無意識のうちに、李苑は後退りする。

 津也は構えを解いている。

 それでも、対峙していられなかったのだ。

「怖いだろう」

 津也は李苑を見据えて言う。

「それが普通の感覚だ。俺を畏怖する李苑は、サバイバーとしては不適格なんだよ」

 口調は無機質だが、津也の言葉は辛辣だ。

「まだ分からないのか。なぜ李苑が俺に勝てないのか」