ピピピピピ……。


 あたしの目覚まし時計の音だ。

 意識の遠くのほうで聞こえる。

 いつもの出窓のカーテンの向こうにすっと手を伸ばし、音を止めるスイッチを押し込む。

カチっと響いたのも確認せず、もう一度あたしは布団にもぐりこんだ。


 今日は日直じゃないから……。


 目をつぶったまま、もう少し寝るために毛布をかけなおす。


「ふぁ……」


 そうそう、まさに同じ思いよね。


 ん?今の、ダレ?


 あたしは身の毛がよだつ思いで、勢いよく起き上がる。

 ベッドの傍らには……


「…くぅー…」


 あら、寝息がカワイイ。


 って、そうじゃなくて!!
銀色の髪をした少年が、朝日を浴びながらも眠っている。


 い、い、い……・・・





「いやぁぁああぁああっ!!」





 橘家に、あたしの絶叫が響き渡ったのである。