(真・楔エンド)
「いただきます、彩芭」
崩れる意識、私が愛する人はそう言った
食べられる
怖くないと言えば少しだけ嘘が入るけど、それよりももっと怖いことがあった
「眠っている内に……食べるんですか……」
それが怖い――いや、嫌なことだった
彼の体の血肉になるのは嬉しい
けど、自分の意識がない内に食べられるのは苦しい
起きたら、彼が私を食していた
ぞ、とすることだ
私が『見ていない間』に彼は食事をするんだから
見たいんだ
私の肉が、彼の口に入る瞬間を
その瞬間こそが、深い愛を繋ぐ瞬間なのだから
「……その方が、痛くないだろう」
私の質問に答える優しい声
その声の主は、やはりとても優しい人だと自覚した


