「あのさ、ハルは知ってる?

この学校で自殺した人が
いるって…」



「聞いたよ。

私が飛び降りたんだってさ」



こんな話をしたのは、恵深と知り合って、一週間ぐらいした時。



「ハルはいつ…?」



私は間髪入れずに答える。



「今から6年も前だって。

覚えてないんだけどね…。」



私は明るく答えたんだ。



すると、恵深は私を見て呟いた。



「やっぱり、深也美なんだ…。

やっぱり深也美は…」



恵深の目には、涙が浮かぶ。



そして、急に意識を失った。