「俺は浮気なんてできるような性格じゃないし、そんなことしようとも思わない」



しゅんとうなだれる美紅を見ながら、舌打ちしたくなった。

面倒くさい奴だ。



「俺が好きなのは、美紅だけだよ」


ここまで言わせないと、信用できないのか。






美紅の表情が、途端に生き生きしてくる。



「ほ…っ、ほんとですか！？」



「あぁ」



ちくしょう、今頃恥ずかしくなってきた。



俺は頭を抱えてうずくまる。


「先パイ？大丈夫ですか？」


「…うるせぇ。あっち向いてろ」


「わかりました！」