行くって、どこに?


美紅にはもう振られたのに、俺はどこに行けばいいんだ?



だって美紅は……、もう俺と別れたいんだろ?



「でも、沢瀬さんはきっと、沖を待ってる。絶対、絶対だ」


里季の必死な声が、俺の身体にまっすぐな筋を通す。





急に背筋がぴんと伸びた。


杉原が、ぐっとこぶしを強く握って一声一声に力を込める。




「うん、絶対大丈夫!!信じてるよ、沖」



2人の声にぐいぐい押されるように、俺の身体が勝手に動く。






美紅――― 。