俺はふぅ、とため息をつく。 今さら隠しても、しょうがない。 「別れたよ」 改めて、心に鈍く痛く響く言葉。 多分俺は、一生この気持ちを忘れない。 沖が俺の肩をがしっとつかんで揺さぶる。 「何やってるんだお前!!早く、行ってこいよ!」 いつもはへらへら笑っているのに、今は里季の顔に笑顔が見当たらない。 こいつがこんなに取り乱しているところを、初めて見た。