もう遅いのに。

どれだけ後悔したって、遅いのに。



頭の中が、美紅でいっぱいだ。


それなのに目の前に美紅はいないから、それ以外に何を想えばいいのかわからない。



クールなんかじゃない。


かっこよくなんかない。



俺は、ただのバカなんだよ。

お前が思ってたような奴じゃないんだ。



「どうしたの、沖。まさか…」



認めたくなかった現実。


でもそれを遠ざけるのはもっといやだった。


「……振られたよ」