美紅がいなくなってからとぼとぼと歩いていると、後ろから誰かに突き飛ばされた。
「おい、美紅…っ!」
そう言って振り返ってから、目を見張る。
そこにいたのは、美紅じゃなかった。
「沖ー♪彼女に振られたんだって?」
「杉原…」
にこにこしながら俺の不幸を喜ぶのは、杉原 彩音(すぎはら あやね)。
親しみやすい奴で、割とよく話す。
見かけは大人なのに、中身が子どもっぽいところが玉にキズだ。
「まだ振られてねぇよ」
そう、まだ振られていない…はず。
たとえ、バカと大声で叫ばれても。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…