「…っせ、先パイの、バカぁぁぁーーー!!!」




その声と共に、俺は力いっぱい突き飛ばされた。


やばい、ちょっとやりすぎたか?




あわてて美紅の顔色をうかがうと、


「先パイなんか、先パイなんかっ…」


と、涙目で繰り返していた。


その次に続く言葉を、息を呑んで待つ。



”キライ”だなんて言われたら、どうすればいいんだ。



「先パイなんか…っ、かっこよすぎですよぉぉーーーー」



こいつ、日本語勉強し直した方がいいんじゃないか。


意味不明な言葉を残して、美紅はバタバタと走り去っていった。