美紅をからかっただけのつもりだったのに、つられて俺まで赤くなってしまう。



「えと、先パ、あの、その、か、顔、近いです…っ」




こいつ、両思いになる前はもっと積極的じゃなかったか?

てか、どもりすぎだろ。



その照れてる顔がもっと見たくて、俺は自分の顔が赤いのも忘れてさらに言葉を重ねる。


「別に近くねぇだろ。気のせいだ」


美紅がふるふると首を振る。

そのとき、美紅のふわふわの髪が俺の顔に軽く当たった。


とっさにその髪の毛をつかんで、美紅を止める。



「なんなら、もっと近づけてやろうか?」