そして自然にひきつけられた。


「今日は待ち合わせに遅刻したり映画の途中で寝ちゃったり…いいとこないですね、私」



「いつものことだろ」


心の底から素直に思ったことをそのまま言うと、美紅が眉間にしわを寄せてすねてしまった。


「…どーせ、いいとこないですよ」



本当に、子供みたいな奴だ。

なんで俺、こいつが好きなんだ?



そんなことを思いながらの家までの道。


今日もこの街は騒がしい。