そう言って見せられたチケットは、今流行りのラブストーリーだった。


ラストがとても感動的だということで評判らしい。

「別に、俺は行ってもいいけど」


心の中に、微かな疑問がうかぶ。




美紅はいいのか?

どう考えても美紅は映画なんてものを長時間座って見ていられるような性格ではない。


けれど自分からこうやって誘ってくるところを見ると、大丈夫なんだろうか。




「ほんとですか!?それじゃあ次の日曜日っ、駅前の映画館まで来てください!」


「あぁ、わかった」