けれど、一難去ってまた一難。


今度は美紅がおかしなことを言い出した。

「先パイ!私たち、もっと恋人らしくなりましょうよ!」


「…は?」



あまりに唐突過ぎて、言葉も出ない。

いきなり何を言い出すんだ。


「恋人らしくって…。どうしたんだいきなり。悪いもんでも食ったか?」

美紅がぶんぶんと首を横に振る。


そうじゃなけりゃなんだって言うんだ。

「えっとですね、その…。つまりですね」



次の瞬間俺の目の前に突き出された2枚の紙切れ。


「映画、見に行きませんか?」