「…何でもねぇ」


「え、何ですか!?言ってくださいよ!!」



しまった、言うんじゃなかった。


こいつは途中で言うのをやめようものなら、いつまでも訊ねてくるようなしつこい奴なんだ。




でもさすがに今回のはちょっと言えない。


「何でもねぇって」


「じゃあどうして言ってくれないんですか!」


俺が何度言っても、美紅はあきらめてくれそうにない。




言うんじゃなかった…。