肌寒さで、目が覚めた。



裸の体には1枚だけ布団が掛けられていて

昨日までは確かにあった右側の温もりが、消えていた。



そしてその場所にひっそりと残された、1通の手紙。



開いて読んでみる気にはなれず、あたしはワンピースを羽織り窓を開けてみる。



1晩続いた嵐はすっかり落ち着き、辺りには湿った芝生のにおいがした。



傘も差さず1歩外に出てみると、霧のような小雨が肌を濡らした。



その冷たさに身震いしながら



「レオ……」



静寂に、そっとつぶやいた。






8月の雨が

今はこんなにも冷たい。