――寒い。
すごく寒い場所。
あたしは独りで立っている。
服も着ずに。
これは夢なんだろうか。
遠くに海が見えた。
ずっと探していた光。
あたしはそれに向かって走りだす。
だけど、どれだけ走っても、そこにはたどり着かなくて。
足が重い。
そう思って、あたしは下を見る。
数えきれないくらいの男の手が
あたしの足にからみついていた。
ハッと目が覚めた。
辺りを見回し、ここが自分の部屋だと気づいたあたしは、安堵のため息を漏らす。
ひどい寝汗のせいで、髪が濡れていた。
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