細くて、だけど力強い腕。 「……ッ…」 この腕をあたしはよく知ってる。 「会いたかった……!」 震える声で、レオが言った。 信じられないその言葉に、あたしはゆっくり振り返る。 レオの真剣な眼差しが、息のかかる距離にあった。 ……ダメだ。 また、泣いてしまう。 あたしはレオの手を、きつく握った。 同じ強さで、レオもあたしを抱きしめてくれる。 強く、強く――。 そしてあたしたちは 初めてのキスをした。