いつもの所っていうのは、マンガ喫茶のカップルシート。

上田の隣に腰をおろし、無言でさっき受け取ったモノを渡した。

中身を確認した上田は満面の笑みでありがとうと言った。

「今日も触り心地がいいですね。サラサラです」

「そう?ありがと」

あたしは二〜三ヶ月に一回上田に髪を売っている。

別に代わりにお金を貰ってるとかそんなんじゃなくてご飯おごってもらったり何処かに連れて行ってもらったりしてるだけ。

まぁ、結果としてはお金を使わせてるんだけど…

この会話だけ聞くと上田はただの変態みたいに聞こえるけど、結構すごい人らしい。

よくは知らないけど。

上田との出会いは、あたしが自分の髪とアイツが大嫌いになったあの日。



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