「楓が入院してから、望はちゃんと料理も作ってくれたし、学校へも遅刻しないで行ってる。
もう望は立派に育ったよ。だから楓もそろそろ幸せになってもいいんじゃないか?」



「琉也…」



メガネくん…。


私に急に“料理作れ”って言ったりしたのはお兄ちゃんのためだったんだ!!



お兄ちゃんに幸せになってほしいから…



私もお兄ちゃんには幸せになってもらいたいっ!!




「お兄ちゃん!
私、もうお兄ちゃんに頼らなくても自分のことは自分でやる!
家事だってやる!!
だから……」



「のん?」



「だから…これからは私のためじゃなくて、自分の幸せのために生きて!」



そこまで言うと私は再び涙が溢れてきた。



そして、メガネくんが

“よく言った。”

と言わんばかりにニッコリ笑って、
頭を軽くなでてくれた。