…何だ、これ。 あったかい。 手のひらに感じるぬくもり。 どこか懐かしいような、そんな感触。 「……!」 重い瞼を開けた瞬間、飛び込んできたのは信じられない光景だった。 「…姉貴…?」 嘘、だろ? 気づけば、姉貴が俺の手を握っていて──。 いや、違うな。 指を、絡めてる? 「あのっ、これはっ…」 俺の視線に気づいた姉貴は、慌てたように俺の指から手を離した。 「……」 ──俺は、都合のいい夢を見ているのだろうか……?