「てことで俺、帰るから」
俺の一言で、当然皆からはブーイングの嵐。
さっきの女は酔っているのか、俺を行かせまいと必死にしがみついてくる始末。
「大事な用だから、悪い」
そう言い残し、足早にカラオケを後にした。
自然と足が早くなって。
気づけば走っていた。
とにかく早く、会いたかった。
今頃一人でうずくまっているアイツを想像したら、すぐにこの腕で抱きしめてやりたくなった。
やっぱり、俺は異常だ。
でも、もういい。
異常でいい。
シスコンだって笑たきゃ笑えばいい。
俺は何より、誰より、
姉貴が一番大事なんだよ。



