「なんだ、お前らまた喧嘩でもしたのか?」 翌朝。 食卓で一言も言葉を交わさない俺たちを見て、親父が呆れたように問いかけてきた。 「……」 親父、空気読めよ。 そう思いつつも、ガンとして口を結んだままの姉貴に代わって、曖昧に笑ってみせる俺。 親父は仲のいい証拠だ、なんて呑気に笑っているけど、俺にとっては大問題だ。 ただでさえ、思春期というヤツで最近話す機会が少なくなっていたのに、このままだと更に溝が深まりかねない。