「シスコンにも程があるよ。何かあるたび姉貴、姉貴って……」 黙りこむ俺に、追い討ちをかけるように梓は攻め立てた。 「本当は、真弥ちゃんのこと“女”として見てるんじゃないの?」 ──ッ……。 俺が誰にも言わずに封じ込めてきた、最大の秘密。 いとも簡単に見破られてしまったことに、しばし呆然となる。 「…なんて、ね」 言葉を失ったままの俺に、梓がフッと口元を緩めた。 「そんなことあるわけないよね?だって、血が繋がってるんだよ? もしそうなら…… 気持ち悪いよ」