「…り、く?」 姉貴の声が、俺を現実へと呼び戻す。 俺は 今、何を、した? 見れば、姉貴の首筋に残る二つの赤い痕。 「やべ、俺…っ」 ──…。 とんでもないことを、した。 愕然とした表情で、姉貴の目が俺を捕える。 そして、微かに動くその唇。 次の瞬間。 俺は自分の耳を疑った。 「……陸。 キス、して? 」