…けれど。 理性が俺を食い止めた。 ──ダメだ。 触れてはいけない。 また1年前の二の舞になる。 もう、姉貴を傷つけるわけにはいかない。 姉貴の笑顔を失いたくないから。 「……おやすみ」 最後に姉貴の頭をそっと撫でて、俺は部屋を後にした。 ──おやすみ 姉貴。 次に目覚めたときは、 どうか笑ってくれよ。