コンコン ノックの音がした。 誰か問い掛けるまでもない。 私の返事のあと、入ってきたのは、やはり朔夜さんだった。 「ホットミルク、お飲みになりますか?」 「…飲む」 あぁ…このひとはどうしてこうタイミングがいいのか… 「綾香お嬢様?」 カップに注いでいる朔夜さんの背中に、思わず額をコツンとつけた。