私は朔夜に促され、近くに止めてあった車に乗り込んだ。 朔夜は静かに発進させ、車内はしばらく沈黙が続いた。 そして、私はそっと朔夜の横顔を伺った。 「どうした?」 前を見据えながら、朔夜は私に問い掛けた。 「あのね……」 そのまま少し黙り込んだが、思い切って質問した。 「朔夜は……訊かなかったの?」 朔夜は言葉を選ぶかのように、考え込んだ。