「ごめんね、奈津紀」 私は携帯を閉じてバッグにしまうと、窓を開けた。 すると、扉から私に呼びかける声がした。 「綾香さま、岡谷です」 私は静かに扉へ向かった。 「なに?」 私が扉の前で返事をすると、 食事をやりとりする場所から、素早く書類を差し込んできた。 私が何の書類か訊き返そうとすると、それにかぶせるように、とりとめのない話をし始めた。