「婚約者……」 呟いた私に、椿は寂しく微笑んだ。 「だった、です」 あの事件が原因で、椿の両親から破談にした、と言った。 「でも、その時にはもう、私は朔夜さまを好きになっていて」 椿はうつむき、目を伏せた。 「まだ好きなのね……」 私の言葉に、椿は小さく頷いた。