その後、 どうやって屋上まで歩いたのか、 思い出せない。 気づくと、 直樹君の顔が見えて、 彼の 『どうしたの?』 と言う言葉で、 自分が泣いていたのだと分かった。 直樹君の手が、 ぎこちなく、 私のほほに触れて、 涙をぬぐってくれた。 私は、 直樹君の胸に顔をうずめて、 まるで 子供みたいに、 泣きじゃくった。