でも、
直樹君の口から出たのは、
私の予想もしない言葉だった。

「お前らってさ、
仲いいよな。
やっぱ、つきあってんの?」

「お前には、
うちの事情話したろ?

再婚相手の
連れ子同士だって。

まだ、再婚したわけじゃなくて、
お試し期間中だって。」

あいつは、平坦な口調で答える。

「そうじゃなくて、
清はさ、

ひかりちゃんのこと、何とも思ってないわけ?
俺がひかりちゃんのこと好きになってもいいの?
付き合いたいっても、かまわないのか?」

「・・人を好きになるのは、自由だろ?
俺が口を挟む問題じゃねぇよ。」

そう言ったきり、
二人は、黙り込んでしまった。

私は、
どうしていいかわからず、
うつむいた。

二人の会話の中には、
すごく重要なものが、
たくさん含まれていたけど、

考えると、
泣きそうになるので、

考えないように、外の景色を眺めた。