清は、私の首の下から手を入れて、腕枕をするように私の体を自分のほうに向けさせた。

清の広い胸に抱きしめられて、私は、思い切り号泣する。


「せい!せいっ!」


何度も名前を呼んで、清にしがみつくと、清は私の髪の毛をゆっくり梳いてくれた。


「お前の髪の毛、ほんと俺好みだな。このままずっと俺の腕の中で泣かせたいな。」


「ば、ばか~。」


くすくすと笑って、清は私の背中を優しく撫でる。



前に来たときは、波の音が耳について離れなかったけど・・、

今は、規則正しく聞こえる清の鼓動だけが耳に響いて、

清の息遣いだけが私を包んでいて・・・。

それ以外の何も聞こえてこない。