「ところで、水着は持ってきたな?」
「うん。どこのプールに行くの?」
本当は、清と行った、あの海へ行きたかったのだが、
くらげで満員御礼状態のこの時期の海に入るのは、ちょっと勇気がいる。
妥協して、プールへ誘ったのに、なぜか待ち合わせはプールでなく清のマンションだった。
「室内プールなら、焼けなくて助かるんだけどな」
私の言葉に、清がにやにやと笑い始める。
「安心しろ。ばっちり、室内プールだ。しかも貸切」
「か、貸切!?」
やっぱり、お金持ちって、やることが違うの?
庶民にはついていけないよ!
私があんぐりと口を開けていると、清は私の荷物を足元に置いた。
「というわけで、早く着替えろ」


