「ひかり!」
改札を出ると、清の声が私の名前を呼ぶ。
たったそれだけなのに、私の動悸は、早くもアップしてて、
意識しすぎてる自分に、落ち着けって言い聞かせる。
約2週間ぶりの清の顔は、家を出たひと月前と、どこも変わってないはずなのに、
どうしてこんなに、ココロがときめいてしまうのか。
毎日会ってたときは、顔を見るだけで、こんなにドキドキしなかったはずなのに。
私の様子をどう思ったのかわからないけど、
清は、無言で私の腕からバッグを取り上げると、私の手を握ってきた。
「行くぞ」
「う、うん」
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