「これは、涙じゃなくて、よだれに違いない。」 私の口の周りを拭うと、 あいつは、いかにも、学者面して、 ふむふむ、とつぶやく。 「ば、ばかぁ~!!」 私は、真っ赤になって、 清の肩をばしばしと叩いた。 「あははは。」 あいつは、大笑いして、 私の手をつかむ。 「もう!清なんて、大っ、」 「大っ?」 きらい、と言おうとしたら、 涼しい顔で、 見つめられた。 とたんに、心臓が大きく跳ねる。