「ここ、空いてますよ。」 おばあさんは、どうも、と言って、 私の隣に座った。 慌てて私も席を立とうとすると、 お前はいい、と、席に押し戻された。 「足の傷、まだちゃんと治ってないだろ?」 「うん。」 「何、にやにやしてんだよ。」 「別に。」 「あぁ?別にだぁ? 誰に向かって、そんな口きいてんだ?」 「だって・・。」 我慢しようと思っても、 フフッと笑い声が漏れてしまう。